原油価格が急騰、イランが米国とイスラエルに対し強硬姿勢を鮮明化
原油市場、地政学的リスクで急騰
原油価格が木曜日に急騰しました。イランの新体制が、激化する中東戦争において米国の圧力に屈しない姿勢を明確にしたことが背景にあります。それどころか、報復を誓い、米国の同盟国を脅迫し、攻撃を強化する決意を示しています。4月渡しのWTI原油は、1バレルあたり7.45ドル(8.54%)高の94.70ドルで取引されています。
2月28日に発生した米国とイスラエルによるイランへの共同攻撃を発端とする中東戦争は、本日で13日目を迎えましたが、事態が沈静化する兆しは見られません。イランの新しい最高指導者であるモジタバ・ハメネイ師(殺害されたアヤトラ・アリ・ハメネイ師の息子)は、就任後の国民に向けた最初のメッセージで、米軍基地を置くイランの近隣諸国に対し、厳しい警告を発しました。
国営テレビで放送されたハメネイ師の演説では、戦争で殺害されたすべてのイラン人のために復讐を誓いました。また、イエメンのフーシ派やレバノンのヒズボラを含む「抵抗戦線」に感謝の意を表明し、イランはこの戦争で決して退却せず、「全力を尽くして」抵抗すると断言しました。
イランは「敵」から賠償を得ると主張し、ホルムズ海峡の封鎖を継続すると付け加えました。イランはこれを、米国とイスラエルに攻撃を中止させるための圧力として利用したいと考えています。イランとオマーンの間の幅55キロのこの水路は、ペルシャ湾とアラビア海を隔てており、世界の石油輸送の約5分の1、1日あたり約1300万バレルがこの海峡を通過するため、非常に重要です。すでにイランは、この海峡を1リットルたりとも通過させないと宣言しています。
イランの強硬姿勢と市場への影響
昨日、イランのマースード・ペゼシュキアン大統領は、戦争を終結させるためには、イランが戦争による損害賠償を受け、将来の攻撃に対する国際的な保証を提供されるべきだと示唆しました。イランがホルムズ海峡付近に機雷を敷設したという報道が浮上した後、ドナルド・トランプ米大統領は、直ちに機雷を撤去しなければ前例のない結果を招くと警告しましたが、イランはこれらの脅威を一蹴しました。
イランの爆弾を積んだボートによるイラク水域での2隻の燃料タンカー(Safesea VishnuとZefyros)への深夜の攻撃は、それらを炎上させ、イラクに石油港を閉鎖させました。オマーンは、水曜日のイランによるサラーラ港への攻撃後、国内のミナ・アル・ファハル石油港からの船舶の避難を命じました。国際エネルギー機関は水曜日、加盟国の戦略的備蓄から4億バレルを放出すると発表しました。
計画された介入にもかかわらず、市場は中東での紛争の深刻化による大規模な混乱に焦点を当てています。ホルムズ海峡の通過障害は、アラブ諸国の貯蔵能力の制約をもたらし、生産量の削減を余儀なくされています。イランのハタム・アル・アンビヤ軍司令部の報道官であるエブラヒム・ゾルファガリ氏は、世界は「石油が1バレルあたり200ドルになることに備える必要がある」と述べました。
OPECの予測と市場の展望
一方、米国とイスラエル対イランの戦争によって世界のサプライチェーンが深刻な影響を受けているにもかかわらず、石油輸出国機構(OPEC)は最新の月次報告書で、2026年から2027年にかけての世界の石油需要の伸び予測を維持し、2026年の予測を1日あたり138万バレル、2027年を1日あたり130万バレルとしています。
アナリストの見解
今回の原油価格急騰は、中東地域の地政学的リスクが原油市場に与える影響の大きさを改めて示しました。WTI原油が94ドルを超えたことで、投資家の間では100ドルの大台を意識する動きも出てくるでしょう。ただし、米国の戦略備蓄放出やOPECの生産動向など、価格を抑制する要因も存在します。今後は、イランと米国・イスラエルの対立が激化するか、あるいは沈静化に向かうかによって、原油市場の方向性が大きく左右されると考えられます。特にホルムズ海峡の動向は、世界のエネルギー市場全体に影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。