パキスタン・アフガニスタン紛争、中国が仲介に乗り出す
中東に新たな火種、パキスタンとアフガニスタンの国境紛争激化
イランとイスラエルを巡る緊張とは別に、中東ではもう一つの「熱い戦争」が静かに燃え広がっています。パキスタンとアフガニスタン両国は、数週間にわたり国境地帯で緊迫した衝突を続けてきました。現地時間2月26日、アフガニスタンのタリバン政権は、パキスタン軍による空爆が首都カブールで薬物依存症患者を治療する病院を標的とし、4人が死亡、複数人が負傷したと非難しました。この攻撃は、両国が国境を挟んで銃撃戦を交わし、アフガニスタン側で4人が死亡したと報じられた数時間後に発生したもので、両国間の紛争としては近年で最も激しい戦闘が3週目に入ったことを示しています。
パキスタンのカーワジャ・アースィフ国防相は2月27日に「全面戦争」を宣言し、国境地域および首都カブールへの爆撃を開始したと伝えられています。パキスタン軍は圧倒的な軍事力を有していますが、タリバンもテロ行為を通じてパキスタンに打撃を与えることが可能です。事実、パキスタンの都市部はイスラム過激派によるテロ攻撃に長年苦しめられてきました。これらのテロ行為の多くはアフガニスタンから支援を受けているとの見方が強く、これがイスラマバード(パキスタン政府)が戦争の主要な根拠としてきた点でもあります。
中国、停戦への道筋模索
こうした状況下で、中国が両国間の緊張緩和に向けた直接的な調整に乗り出しました。関係筋によると、北京は両隣国間の停戦を仲介しようと試みている模様です。中国外務省の報道官は月曜日に、王毅外相が数日前、両国の担当者と電話会談を行ったことを明らかにしました。同報道官は「中国のアフガニスタン・中央アジア問題担当特別代表が、アフガニスタンとパキスタンの間で往復移動している」と述べ、中国の大使館も両国と緊密な連絡を取り合っていることを強調しました。
「中国は、アフガニスタンとパキスタンが冷静さを保ち、自制を発揮し、できるだけ早く対面で協議を行い、早期に停戦を実現し、対話を通じて意見の相違や紛争を解決することを望んでいる」と、報道官は声明で伝えました。この動きは、近年の中国が中東および中央アジア地域で外交的影響力を深め、「平和の仲介者」としての役割を演じようとする姿勢と一致しています。これは、同地域におけるアメリカの「政権交代戦争」の歴史とは一線を画すものです。
地政学的な影響と今後の展望
この紛争は、単に二国間の国境問題にとどまらず、より広範な地政学的な影響を及ぼす可能性があります。特に、地域におけるイスラム過激派の活動と、それに対するパキスタンの対応は、中央アジア全体の安定に直結します。中国が仲介役を買って出ることで、地域における影響力拡大を狙うと同時に、自国の「一帯一路」構想の推進にも不可欠な安定化を図りたい考えと見られます。
パキスタンのような核保有国と、不安定な情勢が続くアフガニスタンとの衝突は、偶発的なエスカレーションのリスクも孕んでいます。中国の外交努力が実を結ぶかどうかが、今後の地域情勢の鍵を握るでしょう。市場関係者の間では、この地域の不安定化が、原油価格(Brent, WTI)や、安全資産とされるXAUUSD(金)の動向にどのような影響を与えるか、注視する動きも出ています。また、パキスタン・ルピー(PKR)への影響も無視できません。