UAE、イランのドローン攻撃受けシャハール・ガス田操業停止 供給網への影響懸念
シャハール・ガス田、ドローン攻撃で操業停止
アラブ首長国連邦(UAE)は、湾岸地域におけるイランのドローン攻撃がエネルギー資産へとエスカレートする中、アブダビの主要天然ガス田であるシャハール・ガス田での操業を停止しました。これは、UAE国内の生産中のガス田に対する初となる直接的な攻撃です。
アブダビメディアオフィスは火曜日未明、「アブダビ当局および関連対応チームは、ドローン攻撃によって発生したシャハール・ガス田での火災を封じ込め、鎮火させた」と発表しました。「施設の操業は、被害状況の評価が完了するまで一時停止されており、負傷者は報告されていません。」
The National紙によると、アブダビのシャハール・ガスプラントは、UAEの総ガス供給量の約20%、世界の粒状硫黄生産量の約5%を占めています。シャハール・ガス田は、アブダビの国営石油会社ADNOCが60%、米国のオキシデンタル・ペトロリアムが40%を出資する合弁事業であるADNOC Sour Gasが運営しています。この合弁事業は、1日に10億立方フィート以上のサワーガス(硫化水素を多く含むガス)を生産する能力を持つシャハール・ガス田の価値を最大化するために2010年に設立されました。
供給網への波及リスクとフジャイラ港の混乱
ガス田の操業停止に加え、UAE唯一のホルムズ海峡外に位置する輸出ターミナルであるフジャイラ石油港からの石油積み出しも、断続的に停止しています。過去4日間で、フジャイラ港では数回にわたり積み出しが一時中断されました。
オマーン湾に面するフジャイラ港は、中東の主要な石油輸出拠点の一つであり、2週間以上にわたり事実上閉鎖状態となっているホルムズ海峡を通過する必要のない港です。しかし、最近のインシデントにより、フジャイラ石油タンカーターミナルの運用に影響が出ており、FOTTバースは現在稼働しておらず、Vopakターミナルは通知があるまでSPM(単一係留ブイ)での運用を停止していると、Inchcape Shipping Servicesは火曜日の報告で述べています。
この二重の供給網への影響は、原油価格や天然ガス価格に短期的な変動をもたらす可能性があります。市場参加者は、中東情勢の緊迫化がエネルギー供給の安定性に与える影響を注視しています。
市場への影響と今後の見通し
今回のシャハール・ガス田への攻撃は、エネルギーインフラに対する直接的な攻撃という点で、極めて深刻な事態です。UAEはOPEC加盟国であり、世界のエネルギー市場において重要な役割を担っています。同国のガス供給能力への懸念は、特に欧州がロシアからのエネルギー供給への依存度を低下させようとしている中で、国際的なガス市場に影響を与える可能性があります。
トレーダーやアナリストは、この事態が地政学的リスクプレミアムの上昇につながるかどうかを注視しています。 Brent原油やWTI原油の価格動向、そして天然ガス先物市場の反応が注目されるでしょう。また、UAEの主要な輸出拠点であるフジャイラ港の運用状況も、引き続き重要な監視対象となります。ホルムズ海峡の通過自由度への懸念が再燃すれば、原油価格を押し上げる要因となり得ます。
現時点では、攻撃による人的被害は報告されていませんが、インフラへの被害状況と復旧までの期間が、市場のセンチメントを左右する重要な要素となります。ADNOC Sour Gasの迅速な対応が、供給への影響を最小限に抑える鍵となるでしょう。